村山秀樹出演
高橋なおみのRadio Cafe 〜チャーリー・パーカー特集〜
その3

2002年2月11日放送



おみ 高橋なおみさん
村山 :村山秀樹



なおみ: はい、引き続き高橋なおみのRadio Cafeお届けしております。
今日はチャーリー・パーカー特集ということでね、お届けしているわけなんですけれども。Embraceable YouがCM前にかかりましたけれども、続いてお届けしていくのはTico Ticoということでね。


村山: そうですね、ラテンの曲ですね。

なおみ: やっぱりこのラテンの曲がこういうふうに取り入れられるっていうのもチャーリー・パーカーならではですよね。

村山: そうですね。これレーベルがVerveっていうレーベルなんですが、Verveに入ってからいろんな企画がありまして、with Stringsもその1つなんですけどもラテンとやるとかですねビッグ・バンドでやるとかですね、ラテンの曲を吹いてもパーカーはパーカーということの例がこれなんじゃないかと思うんですけども、非常に鋭い切れ味の演奏になってますね。

なおみ: ともすればこう、やっぱりラテンの曲っていうのはポピュラーに流れがちなところが、ジャズとの巧妙なブレンドぐあいが素晴らしいなと。

村山: そうですね。これ音がですね、ほんとにもうまさにパーカーの音が出ていましてですね。Tico Ticoって結構難しい曲なんです。それが全てカミソリのような切れ味で演奏されているという例だと思います。

なおみ: はい、そんなところにね注目して聴いていただきたいと思います。Tico Tico。

〜「Tico Tico」〜
  1951年5月12日 Verve Studio Recordingsより

なおみ: はい、Tico Ticoでした。いやほんとにすごい切れ味っていう感じで。

村山: ええ、すごいですねこれは。ラテンパーカッションがいかにもって感じでラテンのリズムで盛り上げているんですけども、パーカーはもうそれをかまわず吹きまくっているという曲ですねこれは。

なおみ: ええ、やっぱりアクセントなんですかね。

村山: あっそうアタックがすごいですね。たしかに、はい。この辺が普通の、普通のって言うとおかしいですが、他のアルト奏者にはなかなか出せないところだと思いますね。

なおみ: はい。そんなTico Ticoお届けしました。

*

なおみ: 続いては、ボーカルが・・・。

村山: ええ、ボーカルです。これはMean to Meという曲なんですけれどもサラ・ヴォーンの非常に若い、1945年のサラ・ヴォーンが聴けると。おそらく最近のサラ・ヴォーンを知ってる方ですとですね、これは「えっ違うんじゃないか?」というくらいですね若々しいサラ・ヴォーンが聴けまして。パーカーはイントロにちょっと吹いているんですけども、おきて破りのイントロで、こんなイントロやられたら歌が入れるのかというですね(笑い)。ただし素晴らしいです、非常に素晴らしいイントロを吹いてます。でサラ・ヴォーンの若い歌と含めてですねちょっとお楽しみいただきたいと思います。

なおみ: はい。私もちょっと聴いたことがなかったので楽しみです。え〜Mean to Meお届けしていきましょう。

〜「Mean to Me」〜
  1945年5月25日 Continental Studio Recordingsより

なおみ: はい、ということでMean to Meをお届けしました。サラ・ヴォーンのたいへん若い時の演奏でね、聴くことが出来るという感じなんですが。

村山: たぶんチャーリー・パーカーとの縁はアール・ハインズ楽団にちょうどサラ・ヴォーンがピアニストとして'42年ごろにいたんですけれども、その縁じゃないかと思います。'45年には他にもですね3,4曲パーカーと一緒に吹き込んでますね。

なおみ: ふ〜ん、ほんとにイントロがまさにパーカーっていう・・・(笑い)。

村山: ええ、あれはおきて破りだと思いますね(笑い)。

なおみ: もう誰が聴いても分かるっていう感じですね。もうUnknownでもわかっちゃうんじゃないかなと思いますけれども。

*

なおみ: さて、ボーカルで一曲Mean to Me、サラ・ヴォーンでしたけれども、続いても一曲持ってきていただきました。

村山: ええ、これはカテゴリーでいうとジャンプ曲というのでしょうか、リズム・アンド・ブルースみたいな。 この曲自身はですね、いわゆる循環っていう形式の曲なんですけどもスリム・ゲイラードとか当時のこういうエリアの人とですねいっしょに吹き込んだ1つの例で、なおみちゃんのレパートリーでもあるとおもうんですが、非常に楽しい曲ですけどもパーカーは循環を吹ききっているとそういう例だと思いますね。

なおみ: そうですね。Popity Popっていうのは英語で言うエンジンの爆裂音というか。

村山: あ〜、なるほど。

なおみ: 「ぶるんぶるんぶるん」と日本語だと言いますよね。それが英語で言うと「Popity Pop」っていうふうな具合なんだそうですけども。 そんなPopity Popお届けしていきましょう。

〜「Popity Pop」〜
  1945年12月29日 Beltone Studio Recordingsより

なおみ: はい、何回聴いてもたいへん・・・。

村山: ええ、非常に楽しいですね。当時のたぶんリズム・アンド・ブルースの原型のようなもんなんじゃないかと・・。
これは'45年の録音なんですけれどもトランペットがディジー・ガレスピーでですね、この頃一番ディジー・ガレスピーと一緒に録音している時期なんですけど、その他のミュージシャンとしてはスウィング畑とかジャンプ畑のかたが結構入ってましてですね、そういう意味じゃこういうところに入ってもあまり違和感がないという、まあある意味で「音楽に垣根は無い」みたいなところがありますけれども、素晴らしいですね。

なおみ: そうですね。でもソロが始まるとパーカーだと・・(笑い)。

村山: そうなんですよね。

なおみ: ほんとにどんな演奏聴いてもそう思います。
はい、Popity Popお届けいたしました。それではCMです。


−CM−


2002. 3.22 編集: よういち

協力: 高橋 なおみ



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